プロジェクト紹介

PROJECT STORY

上越エリア商品「NIIGATA 越品」採用アプローチ支援

地域プロモーション支援

商工会、商工会議所と連携し、小規模食品事業者の販路開拓を後押し

新潟三越伊勢丹様が2016年にスタートさせた「NIIGATA 越品」は、「想像をこえる新潟がある」をコンセプトに新潟県内の選りすぐりの銘品を発掘するプロジェクトであり、採用商品は三越伊勢丹の店舗、オンラインストア等で販売されます。本企画は、小規模な食品事業者が「NIIGATA 越品」への採用を目指すことを支援する取り組みでした。有力百貨店ブランドへの採用という明確な目標を設定し、採用に至るプロセスを経験することで、小規模食品事業者の販路開拓を支援するとともに、その商品開発力や販売力が継続的に底上げされることも狙いです。

カシヨは、「NIIGATA 越品」商品への採用までを支援する一連のプログラムを提供しました。事業資金は、商工会議所、商工会の経営発達支援計画での伴走型補助金を活用しています。

上越エリア商品「NIIGATA 越品」採用アプローチ支援

新潟三越伊勢丹

お話を伺った方
  • 大潟商工会経営支援室室長 西山達也氏

    上越市大潟区は上越市の北西寄り、高田平野の海岸砂丘の上に位置する。2005年の合併で旧中頸城郡大潟町が13市町村と合併し21万都市の一部となる。大潟商工会は会員数は現在295名。

  • 合資会社マルト歌代商店 歌代ゆり子氏

    1907年創業の町の洋菓子店。自社農園や地元の方が栽培した日本いちじく「蓬莱柿」のみを使い、いちじく本来の風味と食感を活かしたお菓子をつくる。いちじく缶詰やいちじく羹は、100年以上地元で愛されてきた。

  • 株式会社新潟三越伊勢丹 長谷川雅史氏

    新潟三越伊勢丹 越品プロジェクト担当。当ブランドには立ち上げより深くかかわり、新潟に埋もれる宝を自ら発掘し、自身の目で生産の現場を見ることで、商品の物語を理解し販売することにこだわりを持つ。「売れるより伝える」をモットーとし、阿賀野エリアのNIGATA越品企画もプロデュース。

お客様の紹介(プロジェクト背景)

大潟商工会の会員には、すばらしい商品をつくる事業所が数多くあります。しかし、手塩にかけて製造しても、販路が限られているため売上を伸ばし事業を拡大することに限界を感じていました。新規取引先を獲得しようにも、個店で出来ることには限界があります。果たしてどんな販売チャンネルが自分たちに相応しいのか、さらにそれをどうやったら構築できるか見当がつかない事業者が多いのが実状でした。

マルト歌代商店の場合も、同社の看板商品であるいちじく缶詰やいちじく羹は、大潟の人々の間で愛されているものの、あるいはふるさとのお土産として、法事などの返礼品として長年購入してきた世代が高齢化したこともあり、今後売上が先細りするのではと危機感を感じ始めていました。自社商品を大潟の外に向けてもアピールし、知名度を上げることで新しいファンを形成することが課題だったのです。

プロジェクトストーリー
  • 西山「NIIGATA 越品」への採用を目指してみてはどうかとお話をいただき、大潟商工会を含む上越市の10商工会、1商工会議所が共同でチャレンジしました。当初、伊勢丹さんが商品に望むクオリティの高さに戸惑い、バイヤーさんにどうPRすべきかその手法にも悩んだものの、商談会に臨む前にカシヨさんが開催してくれたセミナーがとても役立ちました。FCPシートの書き方の指導を受けられましたし、お客様が商品に求める価値とは何かバイヤーさんから直接お話を伺えたからです。

  • 歌代セミナーでは商品づくりにストーリーが見えることが大切なことを知り、創業からの製法を守り続けてきたことに自信が持てました。一方、実際に伊勢丹の売り場を見学した際、常設サプライヤー事業者さんの熱意に圧倒されて、商品を売るためにはもっと意欲的に外へ出て声を上げなくちゃいけないと気付かされました。自信は全然なかったので、上越限定の販売会に採用されたことも、さらに今「NIIGATA 越品」に常設され、お取引いただいていることも夢のようです。

  • 長谷川販売会期中はあいにくの天候でしたが、チラシを手に多くのお客様がお見えになりました。中にはおまとめ買いされる方や、「一度試して、おいしかったからまた来たわ」といったお客様もいらっしゃるほど、個々の商品の評価は非常に高いものだったと思います。今回の販売会を通じて、事業者の皆様が今後の商売につながるヒントを少しでも得られたなら何より幸いです。

  • 西山小規模事業者が販路開拓をするには、まずこうしたチャレンジのステージに立つ意欲を持つこと、次いで採択される商品にするため改善を施すことなど、いくつかのステップを踏んでいかなければなりません。この企画では、目標を達成するための工夫が上手くプログラムされていました。不採用だった事業者へも伊勢丹よりフィードバックがあったことも有り難かったです。今後も商工会としては、各々の事業者に相応しいチャレンジの場を設けていきたいと思いますし、カシヨさんにもまたお力添えをいただきたいです。

  • 歌代販売会や常設会場で、今まで当店をご存じでなかっただろう人が商品を手に取ってくださったことがうれしく、私たちのものづくりが地元以外の方にも認めてもらえたことに自信が持てました。「NIIGATA 越品」への採用を機に、自分たちに今できる販促に力を入れようと、ご当地グルメを紹介する冊子に掲載してもらったり、ネット販売に本腰を入れたりしています。若い世代や県外のお客様にも認知され、お買い上げいただけるようになりました。また、安定した生産を確保しようと、いちじくの栽培を地元の方にお願いしたところ、快く引き受けてくださいました。変わらなくちゃいけないという勇気と、はっきりした目標があれば、小さな商売をしている私たちでも変われることが知れて、とても良い経験になりました。

  • 長谷川今後も越品だけでなく、新潟三越伊勢丹として継続的にお取引ができればと思っております。その際はどうぞよろしくお願いします。

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